小説を読んでみたいんだけど、なんか良い本ないかな?
できれば読みやすいほんがいいんだけど。
読むことで物語の世界に夢中になれる「小説」。
ですが、小説と一口に言っても、世に出ている作品は数えきれないほど多様です。
恋愛、ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、歴史、時代など、様々なジャンルが存在します。
この記事では、ジャンル別におすすめの人気作品を100選ご紹介します。
これらは何度も重版されている名作も含まれているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
新刊小説のおすすめ作品
街とその不確かな壁
新潮社 著者:村上春樹
村上春樹の新作長編小説は初期作品『街と、その不確かな壁』のリメイクで、6年ぶりに登場。超大作で、約1200枚の原稿用紙に相当します。
物語は古い夢が書庫で呼び覚まされ、封印された物語が静かに動き出すという内容で、3部構成で描かれています。”純度100パーセントの村上ワールド”と称され、文学界やファンから注目を集めるおすすめの1冊です。
この夏の星を見る
KADOKAWA 著者:辻村深月
辻村深月の新刊小説は、天文部の高校生3人を主人公に据えた群像劇。2020年のコロナ禍を背景に、青春ストーリーが展開されます。
亜紗はコロナ禍で天文部の活動が制限され、スターキャッチコンテストも開催が難しく悩んでいます。真宙は渋谷の中学で唯一の男子生徒として苦悩しており、円華は旅館の客たちのせいで親友との距離を置かれており、やりきれない思いを抱えていましたが……。
3人は天文活動を通じて結ばれていくストーリーで、辻村深月の繊細な感情描写が際立つ作品。辻村深月の新しいヒューマンドラマを堪能したい方におすすめです。
コメンテーター
文藝春秋 著者:奥田英朗
「伊良部シリーズ」の新刊小説は、破天荒な精神科医・伊良部一郎のコミカルな暴走を描いた作品です。中央テレビ勤務の畑山圭介は低視聴率のワイドショーを改善すべく美人精神科医をスカウトしますが、行き違いで伊良部と彼のアシスタントが出演することになります。
2人の奇天烈なコメントが放送事故寸前を招く中、伊良部が問題を爽快に解決していく姿が楽しめます。個性豊かな登場人物たちも魅力で、笑いながら楽しめる短編コメディー小説です。
シリーズ累計290万部を突破し、アニメ化もされた「空中ブランコ」なども含めて、おすすめの作品です。
名作小説のおすすめ作品
吾輩は猫である
KADOKAWA 著者:夏目漱石
夏目漱石の名作長編小説である「吾輩は猫である」は、猫の視点から明治時代の俗物紳士たちの滑稽で醜悪な姿を皮肉り、嘲笑する物語です。物語は中学教師・珍野苦沙弥に飼われる猫が、苦沙弥先生の書斎での数々の珍談・奇談・小事件を観察する姿を描いています。
江戸の落語のようなシニカルな笑いが特徴で、夏目漱石の教養も独特な文体と調和しています。映画やドラマなどメディアミックス作品も展開され、小説を読まない方にもおすすめの作品です。
人間失格
集英社 著者:太宰治
「人間失格」という名作小説は、男の生涯を通じて死生観を描き、人としての意味を問いかけた問題作。大庭葉蔵の手記形式で、少年期から青年期の生活や取り返しのつかない過ちを犯すまでを描きます。
彼の幼少期から他人を理解できず、愛情を求めながらも罪悪感を覚える自意識が共感を呼び起こしました。映画・ドラマ・アニメなどのメディアミックス作品も多数制作されています。
人間の本質を描いた、感動的な作品としておすすめです。
新編 銀河鉄道の夜
新潮社 著者:宮沢賢治
宮沢賢治の名作小説は「幻想文学の傑作」と称され、童話13編と戯曲1編を含む作品です。特に有名な「銀河鉄道の夜」では、貧しい少年ジョバンニと溺死した親友カムパネルラが銀河鉄道で宇宙を旅する美しく哀しい物語が展開されます。
多くの楽曲やメディアミックス作品にも影響を与えており、宮沢賢治の魅力的な世界観を楽しめる純文学の名著として、子供から大人までぜひ読んでおきたい一冊です
星の王子さま
新潮社 著者:サン=テグジュペリ
『星の王子さま』は、ファンタジックで詩情に溢れた名作小説で、一度読んだら宝物になると評されています。物語は砂漠で不時着した主人公が、7番目の星・地球にたどり着いた王子さまと出会うところから始まります。
王子さまは旅の中でさまざまな人々との会話から「本当に大切なこと」を学んでいきます。この本は世界300以上の国と地域で翻訳され、総販売部数が2億部を突破し、時代を超えて愛されるロングベストセラーです。
子供から大人まで、あまり本を読んだことのない方にもおすすめの作品です。
博士の愛した数式
新潮社 著者:小川洋子
この小説は、64歳の元大学教師で数論の専門家である「博士」と、80分しか記憶が持続しない彼の家政婦、そして10歳の息子との心の交流を描いた作品です。博士は交通事故で記憶力を失い、「新しい」家政婦との日々を送ります。
彼の言葉は数字で、毎回「初対面」のように靴のサイズや誕生日を尋ねます。しかし、家政婦の息子が加わったことで、ぎこちなかった日々は驚きや喜びに満ちたものに変わっていきます。
物語は淡々と進みつつ、悲しみと温かさが交差する奇跡の愛のストーリーです。登場人物の人柄や関係性が魅力的で、心温まる感動小説として、映画化や舞台化もされています。感動的な作品をお求めの方におすすめの名作です。
西の魔女が死んだ
新潮社 著者:梨木香歩
「西の魔女が死んだ」というベストセラー小説は、学校に行けなくなった少女が祖母のもとで魔女修行を始める物語です。この作品は梨木香歩のデビュー作であり、小学館文学賞や日本児童文学者協会新人賞を受賞しています。
物語は中学に進学したまいが学校に行くことができず、西の魔女である祖母と過ごすひと月あまりを描いています。まいは祖母から魔女の手ほどきを受け、魔女修行の要は「何でも自分で決める」ということを学びます。
祖母の優しさと厳しさに触れながら、まいが読者に大切なことを教えるストーリーであり、感動のラストシーンも魅力的です。子供から大人まで読みやすく、ハートフルで不朽の名作としておすすめの一冊です。2008年には映画化もされました。
コンビニ人間
文藝春秋 著者:村田沙耶香
村田沙耶香の小説『コンビニ人間』は、普通や現代の実存について問いかけるベストセラー作品です。主人公の古倉恵子は36歳で未婚であり、18年間コンビニで働いています。彼女はコンビニ食を毎日食べ、夢の中でもレジ打ちをしています。
恵子は完璧なマニュアルのあるコンビニこそが、自分を世界の正常な「部品」にしてくれると考えていました。ある日、婚活目的で新入りの白羽が現れ、恵子のコンビニ的な生き方に疑問を持ちます。
物語では恵子が普通や常識について考え悩む姿が描かれ、彼女の不器用な生き方が印象的です。この作品はエンターテインメント性が高く、読みやすいため、芥川賞受賞作品に初めて触れる方にもおすすめです。
恵子の困難にも立ち向かう強さに心を打たれ、彼女を応援したくなる魅力があります。周りの人々の優しさもポイントであり、食べ物をテーマにした小説が好きな方や人情ものが好きな方にもおすすめです。
この小説は20ヵ国語に翻訳され、世界中で人気を博しています。
カラフル
文藝春秋 著者:森絵都
「カラフル」は、YA小説の名作であり、「家族・青春」をテーマにした作品です。物語は、輪廻のサイクルから外された天使の「ぼく」の魂が、再挑戦のチャンスを得ることから始まります。
彼は自殺を図った少年・小林真の身体に宿り、罪を思い出す修行をします。天使に導かれながら、ぼくは真としての日常生活を送る中で、家族や友人の欠点や美点を見つけていきます。
作品は、森絵都独特のみずみずしさやユーモアに包まれ、読後感も爽やかです。アニメ化や映画化もされ、中高生だけでなく、普段本を読まない方にもおすすめの人気作品です。
時をかける少女 新装版
KADOKAWA 著者:筒井康隆
『時をかける少女 新装版』は、不朽のSF恋愛小説で、世代を超えて愛されています。主人公の芳山和子は思春期の少女で、理科実験室で偶然甘い香りを感じた後、意識を失ってしまいます。
そして目を覚ますと、時間と記憶をめぐる奇妙な出来事が次々と起こります。この物語は小学生から大人まで読みやすく、映画やアニメ、マンガ・絵本にもなり、累計発行部数は250万部を超える人気作品です。
恋愛小説のおすすめ作品
世界の中心で、愛をさけぶ
小学館 著者:片山恭一
「セカチューブーム」という社会現象を巻き起こした小説。感動的なラブストーリーで、多くの読者を涙させました。高校2年生の朔太郎と彼女・アキの物語で、彼女の死をきっかけに物語が展開します。
2人の出会いから無人島旅行、アキの入院と別れまで描かれています。作品は、大切な人を失うことや生と死についての考えさせられる作品です。
ドラマや映画化もされ、累計発行部数は320万部を超えるベストセラーとなっています。大切な存在を持つ人や感動的な恋愛小説を求める方におすすめです。
いま、会いにゆきます
小学館 著者:市川拓司
“愛してる”という言葉の本当の意味を、静かな物語として描いた感動小説。主な登場人物は身体に不具合を抱える父・巧と6歳の息子・佑司です。
妻・澪が亡くなり1年が経ったある雨の季節、週末に散歩に出かけた森で奇跡が起こります。物語では、ささやかな日常の中での幸福や、“愛してる”の言葉の大切さが強調されています。
シンプルな真実にファンタジックな要素が加わっており、“感涙度100%”と評されるほど泣ける恋愛小説です。映画化・ドラマ化もされ、海外でもリメイクされたベストセラー作品で、愛に満ちた静かな物語です。恋愛小説が好きな方におすすめです。
ノルウェイの森 上
講談社 著者:村上春樹
村上春樹のベストセラー作品で、恋愛を中心にした長編小説です。主人公のワタナベがハンブルク空港に到着し、ビートルズの曲に触発されて20歳の秋の出来事を回想します。
小説は愛や生きる意味、性、生死、男女、静と動など多様なテーマを美しく描き出しています。世界的に愛され、1000万部以上の売上を誇り、映画化もされた不朽の名作です。
恋愛小説に興味のある方には必読のおすすめ作品です。
マチネの終わりに
文藝春秋 著者:平野啓一郎
このロングセラー恋愛小説は、天才ギタリスト・蒔野聡史と国際ジャーナリスト・小峰洋子の切なく美しい恋物語です。
40代の2人が出会い、強い惹かれ合いを感じますが、洋子には婚約者がいます。彼らの関係にすれ違いが生じ、一度は途絶えてしまいますが、お互いの思いを断ち切れないまま、再び運命が交わる日を待ち望む物語です。
文明・文化、生と死、喧噪と静寂など、さまざまなテーマが重層的に描かれており、40代の大人に向けて、自分の人生をどう生きるかを問いかける作品として、20~40代の読者におすすめです。映画化もされ、累計発行部数は50万部を突破しています。
君の膵臓をたべたい
双葉社 著者:住野よる
住野よるのデビュー作でありながら、発行部数280万部を超える青春恋愛小説。2017年には文庫年間ベストセラーに輝き、本屋大賞でも2位を獲得。アニメと実写映画も制作されました。
物語は高校生の主人公が病院で拾った「共病文庫」という1冊の文庫本から始まります。その本の持ち主は、クラスメイトの山内桜良。彼女が膵臓の病気で余命が少ないことが日記に書かれていました。
主人公は彼女の秘密を知り、二人の心の交流が描かれる。主人公の成長と衝撃的なラストが見どころであり、タイトルの意味に感動する人も多い感動のおすすめの小説です。
センセイの鞄
文藝春秋 著者:川上弘美
谷崎潤一郎賞受賞作の名作恋愛小説。37歳の主人公ツキコさんと学生時代の国語教師・センセイの年齢差恋愛が描かれています。
さまざまなメディア展開が行われ、発行部数は15万部を超える異例のヒット。露店巡りや花見など四季を共にし、時にはケンカもしつつ、彼との日々が始まります。
切なさやおかしさ、哀しさもあり、穏やかであたたかい気持ちになれる恋愛の純文学。恋愛小説を楽しみたい方におすすめの作品です。
図書館戦争 図書館戦争シリーズ 1
KADOKAWA 著者:有川浩
「図書館戦争シリーズ」は、恋愛小説とSF小説を組み合わせた人気シリーズの第1作です。架空の日本では、表現を過剰に取り締まる「メディア良化法」が成立し、本を守るための組織「図書隊」が活躍します。
主人公の笠原郁は、憧れの図書隊員になるために入隊します。物語では、彼女が新設の図書特殊部隊に配属され、成長や恋愛模様が描かれます。
個性豊かな登場人物たちと、郁と上官・堂上篤との面白い掛け合いが魅力です。シリーズは640万部を突破するベストセラーで、実写映画・アニメ・マンガなどメディアミックス作品も展開されています。ぜひおすすめの作品です。
植物図鑑
幻冬舎 著者:有川浩
「道草」という恋愛小説は、植物オタクの男子と会社員の主人公のロマンスを描いた作品です。主人公のさやかはある日、近くで行き倒れているイケメン・イツキに助けを求められ、彼を拾ってしまうことから物語が始まります。
イツキは家事が得意で、週末には一緒に野草の収集を楽しむさやかとのほのぼのとした同居生活が描かれています。物語では、さやかとイツキの恋愛模様だけでなく、イツキが作るおいしそうな野草料理のシーンも魅力的です。
野草料理のレシピも付いており、心温まる恋愛小説と共に楽しめる作品。映画化もされ、累計80万部を超えるベストセラーとなっています。心温まるロマンスが好きな方におすすめの作品です。
阪急電車
幻冬舎 著者:有川浩
阪急今津線を舞台にした恋愛小説で、累計100万部のベストセラー。偶然同じ電車に乗る人々の物語が描かれ、恋の始まりや別れの兆しがドラマチックに織り交ぜられています。
登場人物たちの人生が交差し、希望へと変わっていく様子が丁寧に描かれています。読後はあたたかい気持ちになり、ほっこりする恋愛小説としておすすめです。2011年に映画化もされています。
恋愛中毒
KADOKAWA 著者:山本文緒
戦慄の恋愛小説として知られるこの作品は、直木賞作家・山本文緒の原点であり、吉川英治文学新人賞を受賞した作品です。
主人公の水無月は他人を愛しすぎないようにと心を閉ざしていましたが、小説家・創路が彼女の心に強引に入り込んできて、彼女は恋に没頭していきます。
物語はラスト40ページで驚くべき展開があり、衝撃的な恋愛小説としておすすめです。2000年にはドラマ化もされました。
小説 君の名は。
KADOKAWA 著者:新海誠
「君の名は。」は、夢の中で入れ替わる少年と少女の恋と奇跡を描いた恋愛小説で、映画版も大ヒットした作品です。作者は新海誠監督自らで、累計発行部数は170万部を突破しています。
物語は山深い田舎町に住む女子高校生・宮水三葉と、東京で暮らす男子高校生・立花瀧が、夢の中でお互いの身体に入れ替わることに気づくところから始まります。
予定されていない2人の出会いから、運命の歯車が動き出す物語で、ファンタジックな世界観が魅力的です。映画の原作を読みたい人や、不思議な恋愛物語に興味がある方におすすめのベストセラー小説です。
夜は短し歩けよ乙女
KADOKAWA 著者:森見登美彦
「夜は短し歩けよ乙女」は、京都を舞台にした青春恋愛ファンタジー小説。主人公は「黒髪の乙女」に恋心を抱く先輩で、彼は彼女に偶然の出会いを求めてさまざまな場所を訪れます。
物語は珍事件や運命の大転回に満ちており、ポップで華やかな雰囲気が特徴です。奇想的な世界観に引き込まれることもあり、中学生から大人まで楽しめるおすすめの恋愛小説。
累計売上は160万部を突破しています。また、山本周五郎賞を受賞し、映画化やアニメ化もされている人気作品です。
ツ、イ、ラ、ク
KADOKAWA 著者:姫野カオルコ
直木賞作家・姫野カオルコが恋の極みを描き切り、恋愛小説の金字塔ともされる作品。直木賞候補にもなりました。児童文学・青春小説・恋愛小説ともとらえられる小説です。
物語は14歳の中学生・森本隼子が地方の小さな町で国語教師・河村と恋に落ちるという内容。少女の早熟な体験が生き生きと描かれています。
この小説は恋愛要素に笑いを取り入れており、消し去れない痛みを抱えた大人にもおすすめのピュアロマン小説と言えます。
サヨナライツカ
幻冬舎 著者:辻仁成
「愛に生きるすべての人に捧げる」というテーマで描かれた感動的な小説。
主人公の豊はバンコクで仕事をする中で美女・沓子と出会い、熱い恋に落ちます。しかし、結婚を控えた婚約者がいるため、2人は別れを選択します。25年後に再会する展開もあります。
読者の心を揺さぶる切なく熱い想いが描かれ、映画やマンガ化もされ、100万部を突破した人気作品となっています。本気の恋を経験したことがある人や、そうしたいと思っている人に特におすすめの一冊です。
おいしいコーヒーのいれ方 1 キスまでの距離
集英社 著者:村山由佳
直木賞作家・村山由佳の代表作で、恋愛小説の傑作です。シリーズは1994年から2020年まで続き、第1作品目は”おいコー”と呼ばれて愛され続けています。
高校3年生の主人公・和泉勝利が年上のいとこ・花村かれんと同居することになります。彼はかれんの秘密を知り、彼女に強く惹かれていくのですが…。
切なく純粋な青春恋愛物語であり、かれんと勝利を見守る周囲の人々も魅力的です。ゆっくりと進むじれったい恋愛を楽しみたい方や長編シリーズものが好きな方におすすめの作品です。
累計550万部を突破している人気シリーズです。
百瀬、こっちを向いて。
祥伝社 著者:中田永一
「祥伝社」の著者中田永一による恋愛小説「百瀬、こっちを向いて。」は、乙一名義で有名な安達寛高が別名義で執筆し、映画化・舞台化もされた人気作品です。
物語の主人公は「人間レベル2」で、薄暗い存在感の相原ノボル。ある日、鋭い目つきの美少女・百瀬陽と交流し、彼女に変化していくノボルの姿が描かれます。しかし、彼の心には過酷な仕掛けが待ち受けていたのです。
小説は切ない想いが伝わる作品であり、思春期の恋愛やノスタルジーを感じることができるおすすめの作品です。恋愛小説に笑いを取り入れた点も特筆すべきポイントであり、消えない痛みを抱えた大人にもおすすめのピュアロマンス小説です。
余命10年
文芸社 著者:小坂流加
『余命10年』は、切ない恋愛小説で、SNSでも話題となりました。
主人公の茉莉は20歳で不治の病にかかり、余命が10年しかないことを知ります。諦めと死への恐怖から、彼女は淡々と日々を過ごしていました。しかし、趣味を始めたことで彼女の心情が変わり、恋に対する決意も揺らいでいきます。
リアルな心情描写が特徴で、著者が難病で亡くなった際の思いが込められた感動的な作品です。読売新聞のランキングでも人気を博し、2022年には実写映画も制作されました。ラブストーリーが好きな方におすすめの一冊です。
あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。
スターツ出版 著者:汐見夏衛
「あの花が咲く丘で」は、戦争をテーマに描かれた恋愛小説。
親や学校など、すべてにイライラした毎日を送っている中学2年生の加納百合。ある日、母親とケンカして家を飛び出した彼女が寝床を探していると、防空壕を見つけます。そして、防空壕の中で眠り目を覚ますと、そこは70年前、戦時中の日本だったのです。
物語は感動的なラストを迎え、戦争の意味を見つめなおすきっかけになる感動の作品です。SNSで話題になり、マンガ化もされ、実写映画化も決定しています。
ミステリー小説のおすすめ作品
容疑者Xの献身
文藝春秋 著者:東野圭吾
「容疑者Xの献身」は、東野圭吾による直木賞受賞作であり、ドラマ化・映画化もされた人気のミステリー小説です。
物語は、天才数学者である高校教師・石神が、隣人の靖子と彼女の元夫が犯した犯罪を知り、2人を救うために完全犯罪を計画するところから始まります。石神のかつての親友で物理学者の湯川学が謎に挑む展開もあります。
感動的な恋愛要素を含むこのミステリー小説は、秀逸なトリックや大どんでん返しの結末が魅力で、累計1500万部を突破しています。
十角館の殺人
講談社 著者:綾辻行人
「館シリーズ」は、現代の本格ミステリー小説の金字塔と言われる作品であり、推理小説家・綾辻行人のデビュー作です。物語は建築家の中村青司が建てた奇妙な十角形の館で展開されます。
館がある孤島に大学ミステリー研究会の7人が訪れるが、次々と殺される恐ろしい惨劇が描かれます。特に終盤近くの1行が読者に衝撃を与え、1987年の刊行以来、多くの読者に愛され続けています。
どんでん返しや本格派ミステリーが好きな方におすすめの小説です。
そして誰もいなくなった
早川書房 著者:アガサ・クリスティー
アガサ・クリスティーの代表作の1つであるこの海外ミステリー小説は、1939年に初版が出版され、今でも世界中で愛されています。
物語は孤島「兵隊島」に集まった10人の男女が、マザーグースの童謡の歌詞に従って1人ずつ殺されていくという展開です。
登場人物たちは生存者の中に殺人犯がいることに気づき、再び攻撃される可能性に怯える状況が緊迫感を高めます。読者はまるで自分が登場人物の1人になったような没入感を味わえるため、小学生からでも楽しめ、初めてミステリーに触れる方にもおすすめの作品です。
告白
双葉社 著者:湊かなえ
“イヤミスの女王”と呼ばれる湊かなえのデビュー作であり、ベストセラーのミステリー小説。イヤミスとは「読後嫌な気持ちになるミステリー小説」のことを指し、本作品もイヤミスです。
物語はS中学校のクラス担任・森口悠子が、娘の愛美をクラスの誰かに殺されたと告白することから始まります。後味の悪さがあるが、魅力的な復讐劇です。本作品は全6章構成で、各章ごとに登場人物の視点が変わり、さまざまな視点から物語を読み解くことができます。
飽きずに読みやすく、初めてミステリー小説に触れる方にもおすすめの傑作です。映画化もされ、文庫本単体で累計発行部数は300万部を突破しています。
medium 霊媒探偵 城塚翡翠
講談社 著者:相沢沙呼
“すべてが、伏線。”といわれ、読了後に読者を絶叫させた、驚愕のミステリー小説。本格ミステリ大賞を受賞しています。
また、このミステリーがすごい、本格ミステリ・ベスト10などさまざまなランキングで1位に輝き、ミステリーランキングで5冠を達成。ミステリー界から大絶賛を浴びました。
心に傷を負った霊媒師・城塚翡翠と推理作家・香月史郎が難事件に立ち向かいます。連続死体遺棄事件を解決するため、彼らは霊視と論理を組み合わせて姿ない殺人鬼に挑みます。
物語は驚愕の展開で、翡翠の力によって事件に迫っていきますが、彼女自体も魔の手が迫っていることが明らかになります。ミステリー界のトップマジシャンとされる特殊な設定が魅力的な本格ミステリー作品です。
すべてがFになる
講談社 著者:森博嗣
「S&Mシリーズ」の第1作目は、理系ミステリーの名作であり、密室殺人をテーマにしています。主人公は孤島のハイテク研究所で暮らす天才工学博士・真賀田四季です。
ある日、彼女の部屋でウエディングドレスをまとった死体が発見されます。偶然島を訪れていたN大の助教授・犀川創平と女子大生の西之園萌絵が、不可思議な密室殺人を解決するために挑戦します。
登場人物の多彩さや犀川・萌絵の掛け合いが魅力であり、ミステリーファンやプログラミング好きにおすすめの作品です。ドラマ化やアニメ化もされ、シリーズ累計390万部を突破している人気作品です。
シャーロック・ホームズの冒険
新潮社 著者:コナン・ドイル
「シャーロック・ホームズの冒険シリーズ」は、近代探偵小説の名作で、ホームズが主人公の第1短編集です。ホームズは名探偵として有名で、多くのファン(”シャーロキアン”)がいます。
彼はロンドンで起こる奇怪な事件を追い、天才的な推理力で解決しています。本作品には、赤毛の男が加入した組合の謎を追う『赤髪組合』など10編が収められています。
ユーモアのあるホームズと常識人のワトスンの関係も魅力で、世界的に有名な探偵もののファンにおすすめの作品です。映画化や日本のアニメ制作もされています。
氷菓
KADOKAWA 著者:米澤穂信
本格学園ミステリー小説で、人気の高い「古典部シリーズ」の第1作品目。
主人公の折木奉太郎は省エネ主義の少年で、姉の命令で部員0の古典部に入部させられます。そこで千反田えると出会い、彼女の依頼で33年前の事件の真相を解き明かす話が展開されます。
奉太郎の省エネ主義とえるの好奇心旺盛な性格が対照的で面白く、映画・アニメ・マンガ化もされ、累計290万部を突破しています。中学生から大人まで楽しめるおすすめの作品です。
イニシエーション・ラブ
文藝春秋 著者:乾くるみ
180万部を超える人気の驚愕のミステリー小説。大学生の主人公たっくんとマユが恋に落ち、楽しい時間を過ごします。
たっくんはマユのために東京の大企業を蹴り、地元静岡の会社に就職しますが、東京勤務を命じられます。物語は甘くほろ苦い恋愛小説に見えますが、最後で驚きのどんでん返しが待ち受けます。
叙述トリックが魅力的で、小説をあまり読まない人にもおすすめです。映画化もされた人気作品です。
火車
新潮社 著者:宮部みゆき
山本周五郎賞を受賞し、ドラマ化・映画化もされたミステリー小説です。
休職中の刑事・本間俊介が、遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者・関根彰子の行方を捜すことになりますが、彼女は自ら失踪し、徹底的に足取りを消していました。彼女が自分の存在を消す必要があった理由や正体について、読み進めるうちに徐々に明らかになっていきます。
社会派の要素も含まれ、自己破産者の悲惨な現実が描かれています。読む手を引き込む人間ドラマとして、社会派ミステリーに興味がある方におすすめの作品です。
占星術殺人事件 改訂完全版
講談社 著者:島田荘司
「占星術殺人事件 改訂完全版」は、島田荘司によるロングセラー小説で、天才探偵・御手洗潔が活躍する「御手洗潔シリーズ」の第1作品目です。この作品は和製シャーロック・ホームズと称され、他のミステリー作品にも大きな影響を与えています。
物語では密室殺人が起こり、画家が残した手記には6人の処女の肉体から完璧な女「アゾート」を創る計画が記されています。事件から40数年後、6人の若い女性が肉体の一部を切り取られた状態で日本各地で見つかります。御手洗潔は未解決の猟奇殺人事件を解明していくことになります。
この作品は巧妙なトリックやうまく回収された伏線が多く、多くの読者を惹きつけた傑作です。本格ミステリーを楽しむなら必読のおすすめ作品であり、日本ミステリー部門では第3位に選出されるなど国内外で高い評価を受けています。映画化もされ、累計550万部を突破しています。
八つ墓村
KADOKAWA 著者:横溝正史
「八つ墓村」という長編ミステリー小説は、日本の名探偵・金田一耕助が事件を解決する「金田一耕助シリーズ」の一作です。物語は戦国時代の村で、大金を持つ8人の武士が村人たちに殺害され、村は「八つ墓村」と呼ばれるようになります。
怪奇現象が相次ぎ、おどろおどろしい事件が巻き起こります。恐ろしい要素と冒険要素を兼ね備え、一気に読み進めやすい作品です。
活字慣れしている読者や「金田一耕助シリーズ」に興味がある方におすすめの小説です。過去には映画やドラマ、マンガ化されている名作でもあります。
アヒルと鴨のコインロッカー
東京創元社 著者:伊坂幸太郎
吉川英治文学新人賞を受賞した、人気の青春ミステリー小説。本屋大賞3位や、このミステリーがすごい!2位も獲得しています。若者たちの友情や恋愛を、ミステリー仕立てでコミカルに描いた作品。
物語は、大学入学を控えた椎名が仙台のアパートに引っ越すと、隣の住人である河崎から「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけられる展開です。最初はおかしな話だと思っていた椎名が、決行日にモデルガンを手にして書店の裏口に立ってしまい、物語が進展します。
伊坂幸太郎の特有な伏線回収が読者を驚かせる作品で、ミステリー初心者にもおすすめです。映画化や舞台化もされています。
謎解きはディナーのあとで
小学館 著者:東川篤哉
2011年に本屋大賞を受賞し、ベストセラーとなったミステリー小説です。国立署の新米刑事・宝生麗子と毒舌な執事兼運転手・影山がコンビを組み、事件の謎解きに挑みます。
全6編の短編で、シリーズ累計420万部を突破し、ドラマ化もされました。麗子は難事件に直面するたびに影山に相談し、彼は冷静に事件を解決していきます。
作品にはユーモアがあり、麗子と影山のかけ合いが楽しめます。読みやすく、小学生から読書初心者までおすすめの小説です。
葉桜の季節に君を想うということ
文藝春秋 著者:歌野晶午
「葉桜の季節に君を想うということ」は、恋愛活劇ミステリー小説であり、日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞を受賞しています。
主人公は元私立探偵の成瀬将虎で、霊感商法の調査を頼まれたことから、女性・麻宮さくらとの出会いをきっかけに運命が動き始めます。叙述トリックやどんでん返しなどの巧妙な手法が使われ、読み進める手が止まらないストーリー展開です。
恋愛要素もあり、本格ミステリーファンにおすすめの徹夜本として高く評価されています。
方舟
講談社 著者:夕木春央
クローズドサークルミステリー小説で、地下建築での殺人事件が展開されます。週刊文春ミステリーベスト10とMRC大賞2022をW受賞しているほか、2023年本屋大賞にもノミネートされました。
主人公の柊一は大学時代の友人と従兄と共に山奥の地下建築を訪れ、そこで3人家族と一緒に泊まり込むことになります。翌日、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、さらに水が流入して水没の危機に。脱出のために1人を犠牲にする必要があることがわかりますが、その時に殺人事件が発生します。
犯人の正体をめぐる疑心暗鬼の中、水没のタイムリミットも迫り、ドキドキの展開が続きます。ラストのどんでん返しも見どころで、話題のミステリー小説として注目されています。
ミステリー好きな方には特におすすめです。
テスカトリポカ
KADOKAWA 著者:佐藤究
「クライムノベルの新究極」と称されるこのミステリー小説は、資本主義による犯罪とアステカ神話のテーマが融合しています。直木賞と山本周五郎賞をW受賞し、ミステリー賞にもランクインしている秀作です。
バルミロ・カサソラは麻薬密売人で、組織を牛耳っていたが、抗争の末に逃走し、日本の臓器ブローカー・末永と出会います。彼らは新たな臓器ビジネスを日本で展開します。一方、川崎で孤独に生きる少年・土方コシモもバルミロと出会い、彼らの犯罪に巻き込まれる展開です。
この作品は現代の社会問題を取り上げつつ、的確な描写とテンポ感によって読者を引き込むダークな冒険小説です。エンターテインメント性に富んでおり、一読の価値がある作品と言えます。
屍人荘の殺人
東京創元社 著者:今村昌弘
「屍人荘の殺人シリーズ」は、大学のミステリー愛好会のメンバーが事件の真相を追うミステリー小説です。今村昌弘のデビュー作であり、鮎川哲也賞と本格ミステリ大賞を受賞し、ミステリーランキングで1位を獲得しています。映画化もされ、シリーズ累計120万部を突破しています。
物語では、神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介が、名探偵の剣崎比留子と映研の夏合宿に参加するためペンション「紫湛荘」を訪れます。しかし、初日の夜に想定外の事態が起き、彼らは籠城を余儀なくされます。それは、連続殺人の始まりでした。
多くのミステリー作家が絶賛している本作品は、クローズドサークルものが好きな方や、本格ミステリー小説を楽しみたい方に特におすすめです。
変な家
飛鳥新社 著者:雨穴
『変な家』はWebサイトでは166万PV、YouTubeでは1000万回以上再生された不動産ミステリー小説です。オカルト専門のフリーライター・雨穴のデビュー作で、出版から3ヵ月で20万部を突破し、2024年には映画化も決定しているベストセラー作品です。
物語は、雨穴の知人が都内の中古一軒家の間取りに”謎の空間がある”と相談されたことから始まります。家の間取りを設計士の知り合いに見せると、奇妙な違和感がある間取りだと判明します。謎の空間や二重扉、窓のない子供部屋など、間取りの謎の先にある真実とは何なのでしょうか。
謎をたどる過程で見える事実に、背筋が凍るほどの恐怖が待ち受けます。オカルトホラーが好きな方におすすめの小説です。
ホラー小説のおすすめ作品
黒い家
KADOKAWA 著者:貴志祐介
日本ホラー小説大賞受賞の名作、保険金殺人を描いたホラー小説。主人公は生命保険会社の若槻慎二で、顧客の家で子供の首吊り死体を発見し、他殺を疑い始めます。
死亡保険金請求がありながら、若槻は独自調査に乗り出します。読者を戦慄させる恐怖が織り交ぜられ、日韓で映画化もされた衝撃作です。
ホラーとサスペンスが好きな方におすすめの作品です。累計130万部を突破し、多くの読者に支持されています。
リング
KADOKAWA 著者:鈴木光司
「リングシリーズ」はオカルトホラーの金字塔であり、日本ホラーの傑作です。
視聴すると死んでしまうという呪いのビデオテープをめぐる話で、ビデオを観た少年少女が同日同時刻に亡くなる恐怖の作品です。ビデオテープに隠された謎が見どころであり、忘れがたい怖さがあります。
映画『リング』や『貞子』を観たことがある方やホラー小説のファンにおすすめの大ヒット作品です。
夜市
KADOKAWA 著者:恒川光太郎
「夜市」は和風ホラー小説で、ファンタジー要素も含みます。大学生のいずみが高校の同級生・裕司に誘われ、不思議な市場「夜市」を訪れるところから物語が始まります。
幼い頃、夜市で弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた裕司は、エースとして活躍するものの、弟を売ったことに罪悪感を抱いていました。夜市を再訪し、弟を買い戻すことを決意します。
この中編小説は、「風の古道」と共に収録されており、読みやすく、怖さと哀しみを含んだライトなホラー作品としておすすめです。直木賞にノミネートされた日本ホラー小説大賞受賞作です。
Another 上
KADOKAWA 著者:綾辻行人
この小説は人気の学園ホラー&ミステリーで、本格的な恐怖と謎解きが絶賛され、アニメや実写映画化もされ、110万部以上売れています。物語は東京から転校してきた主人公、榊原恒一が、クラスメイトたちの不安な様子に違和感を抱くところから始まります。
さらに、美少女・見崎鳴がいないものとして扱われるなど、謎が増えます。そして、クラスの委員長・桜木が凄惨な死を遂げるという事件も起こります。
物語は独創的なアイデアやリアリティのある設定を通じて恐怖とサスペンスを演出し、中学生たちの青春も繊細に描かれています。学園ものや推理ものが好きな方にはおすすめの一冊です。
残穢
新潮社 著者:小野不由美
山本周五郎賞受賞のドキュメント・ホラー小説で、2016年に映画化もされた作品です。新しく引っ越してきたマンションで次々と起こる怪異現象を調査するうちに、地域の因縁と穢れによる怨みの死が拡大していく恐怖が描かれます。
本から染み出すようなリアルな怖さが特徴で、リアリティを感じられるホラー小説が好きな方におすすめです。
シャイニング 上
文藝春秋 著者:スティーヴン・キング
スティーヴン・キングの名作「シャイニング」は20世紀のホラー小説の金字塔として知られています。美しいリゾートホテルが舞台で、冬季には-25℃の極寒と積雪により外から隔離されます。
物語では、作家とその家族が冬の間、ホテルの管理人として滞在しますが、そこに住む悪霊に襲われるという恐怖が描かれます。スタンリー・キューブリック監督による映画化でも有名です。
この小説は、スティーヴン・キングの筆力による恐怖描写が特徴で、幽霊屋敷ものが好きな方や海外ホラーの名作を楽しみたい方におすすめです。
天使の囀り
KADOKAWA 著者:貴志祐介
恋人の高梨が参加したアマゾン調査隊で、彼や他のメンバーが次々に不可解な自殺を遂げる恐怖のホラー小説。主人公の精神科医・北島早苗は、高梨の死恐怖症との違いに戸惑いながらも、彼の自殺に隠された謎を解明しようとします。
物語はグロテスクな描写と共に、高梨が死の直前に残した”天使の囀りが聞こえる”という謎めいた言葉の意味を追いながら展開していきます。マンガ化もされています。
ぼっけえ、きょうてえ
KADOKAWA 著者:岩井志麻子
「岡山弁でとても怖い」という意味のタイトルを持つ、日本ホラー小説大賞受賞作で、日本のレジェントホラー小説と称される作品です。物語は明治時代の岡山の遊郭を舞台に、醜い女郎が自分の身の上を語る話です。
この小説には4つの妖しくおぞましい物語が収められており、じっとりとした和風のホラー小説が特徴です。この作品は2006年に「マスターズ・オブ・ホラー」として映像化もされました。
ホラー好きな方におすすめの作品です。
ぼぎわんが、来る
KADOKAWA 著者:澤村伊智
「比嘉姉妹シリーズ」の第1作品は、日本ホラー小説大賞受賞作で、新人デビュー作として異例のヒットを記録。主人公・田原秀樹の幸せな結婚生活が、謎めいた怪異に脅かされます。
秀樹の周囲では不審なメールや電話があり、亡き父の恐れた化け物・ぼぎわんの仕業と疑われます。家族を守るため、秀樹は女性霊能者・比嘉真琴に助けを求めるストーリーです。
怪談・都市伝説・民俗学の要素を含んだ作品で、ホラー小説大賞の全選考委員から絶賛されました。映画化・マンガ化もされています。
パラサイト・イヴ
新潮社 著者:瀬名秀明
バイオ・ホラー小説の傑作で、日本ホラー小説大賞受賞作品。科学者・利明が亡くなった妻の肝細胞を培養し「Eve1」と名付けますが、それが恐ろしい未知の生命体に変わり、利明を求めて暴走します。
恐ろしい内容ながら、迫力ある描写が魅力で、ホラー好きやバイオサスペンス好きにおすすめの作品です。映画やゲーム化もされています。
殺戮にいたる病
講談社 著者:我孫子武丸
1992年に刊行されたサイコホラー小説は、猟奇的な殺人を行うサイコキラー・蒲生稔が主人公の作品です。彼の逮捕から物語が始まり、恐ろしい殺人者の行動や心の葛藤を描いています。
物語はラストまで衝撃的で、特にラストのどんでん返しが見どころです。サイコパスやグロテスクなホラーが好きな方におすすめの叙述ミステリーの極致とされるロングセラー作品です。
夏と花火と私の死体
集英社 著者:乙一
乙一のデビュー作は、少女の死体をめぐるホラー小説で、ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しています。
物語は九歳の少女の視点で語られ、彼女の死後の4日間の恐ろしい冒険が描かれます。兄妹が次々と襲われる出来事が織り交ぜられ、スリリングな展開がハラハラドキドキさせます。
中高生から大人まで楽しめるおすすめのホラー小説です。
親指さがし
幻冬舎 著者:山田悠介
女性のバラバラ殺人事件をきっかけに始まった恐怖のノンストップホラー小説。小学生5人が死のゲーム「親指さがし」を始めますが、ゲーム終了後、1人が姿を消してしまう。
7年後、4人は過去を清算し真相を求め再びゲームに挑みます。リアルな描写と背筋が凍るような恐怖が続き、中学生にもおすすめの1冊。映画やマンガ化もされた名作です。
クリムゾンの迷宮
KADOKAWA 著者:貴志祐介
綿密な取材と斬新な着想から生まれた、日本ホラー界の傑作小説。主人公・藤木芳彦が不気味な場所で目を覚ますと、雨に濡れた深紅色の世界に迷い込みます。
携帯ゲーム機を見つけると、9人の参加者と共に”火星の迷宮”という凄惨なゲームが始まります。生き残りを賭けた恐ろしい世界に引き込まれる彼らの姿が描かれています。
人間の恐さを感じさせ、ハラハラドキドキの体験が詰まった1冊で、ゲーム・SFホラー・サバイバルホラーが好きな方におすすめです。また、この小説はマンガ化もされています。
墓地を見おろす家
KADOKAWA 著者:小池真理子
直木賞作家・小池真理子による名作モダンホラー小説。都心に位置する格安マンションに住む哲平一家が、墓地に囲まれた家に引っ越すと、次々と恐怖に襲われます。
全身が凍り付くような恐ろしい出来事が展開される作品で、怪異ものが好きな方やホラー小説愛好者におすすめです。
屍鬼
新潮社 著者:小野不由美
『呪われた町』のオマージュとして描かれた、全5巻の大作ホラー小説です。1300人の小さな村で起こる謎の死をめぐるサスペンスが展開されます。
夏の猛暑の中、山間の集落で3体の腐乱死体が発見され、周囲には獣のように肉片が散乱していたという不可解な事件が起こります。物語は謎めいた家族が引っ越してきたことと連続不審死事件の関連性に焦点を当てて進行します。
リアルな描写で読者の恐怖心を煽り、多くの登場人物と錯綜する人間関係が見どころです。背筋がゾッとする、おすすめの長編ホラー小説です。マンガやアニメ化もされた人気作品です。
よもつひらさか
集英社 著者:今邑彩
「よもつひらさか」という怪しげな坂で死者に会うと伝えられる不気味な場所を舞台にした全12編のホラー短編小説集。戦慄と恐怖に満ちた異世界を繊細に描きながら、ミステリーとサスペンスの要素も盛り込まれています。登場する青年との不気味な出会いや人間の怖さ、怪奇現象など、ゾワゾワとした恐怖を堪能できる作品であり、サクッと読める短編ホラー小説を求める読者におすすめです。
異端の祝祭
KADOKAWA 著者:芦花公園
「モリヤ食品」という大手企業の面接で出会った主人公・島本笑美は、失敗続きの就職浪人生。笑美は物心がついた頃から人間と非人間の区別がつかない特異な能力を持っていました。
ヤンという青年社長に一目惚れされ、笑美はモリヤ食品に就職することに。しかし、研修という名目で見た光景は、奇怪な行動をする人々だった。
物語はモリヤ食品の謎が解ける瞬間から戦慄が訪れる展開へと進みます。不気味なゾワゾワ感や独特な世界観が魅力で、民俗学とオカルトを組み合わせた話題作で、マンガ化もされています。
SF・ファンタジー小説のおすすめ作品
アルジャーノンに花束を 新版
早川書房 著者:ダニエル・キイス
「アルジャーノンに花束を」は、1959年に刊行された感動的なSF小説で、全世界で愛されている名作です。
主人公は32歳のチャーリイ・ゴードンで、幼児並みの知能しか持っていません。ですが、大学の先生によって知能を向上させる手術を受けます。知能が向上したチャーリイは天才に変貌し、愛や憎しみ、喜び、孤独などを経て、人の心の真実を知る物語です。
人間の本質や心理描写が秀逸で、感動する小説として世界中で評価されています。短編の2本立てで、読みやすく、怖さと哀しみを含むライトなホラーを求める方にもおすすめの一冊です。日本では300万部を超えるベストセラーとなっており、映画やドラマ化もされています。
モモ
岩波書店 著者:ミヒャエル・エンデ
ミヒャエル・エンデの名作ファンタジー小説「モモ」は、日本で341万部を突破した作品です。物語は、町外れの円形劇場跡に迷い込んだ少女・モモの不思議な冒険を描いています。
彼女は「時間どろぼう」から盗まれた時間を人間に取り戻そうとします。本作品は現代の人々に向けて、時間の「真の意味」を教えるメッセージ性があり、児童書でありながら大人にもおすすめの小説となっています。
一九八四年 新訳版
早川書房 著者:ジョージ・オーウェル
20世紀の文学の最高傑作とされ、初版以来3000万部以上売れたディストピア小説。2021年には大学入学共通テストにも登場しました。
物語は1949年に発表され、監視社会や絶対的統治の恐怖を描いています。舞台は全体主義的な近未来の1984年で、ウィンストン・スミスという党員が政治体制に反発し、ジュリアという女性と恋に落ち、反政府地下活動に参加する様子が描かれます。
この作品は芸術・思想など多くの分野に大きな影響を与え、現実との重なりから世界的に評価される名作です。世界の今を予言するかのようで、世界的名作を読みたい人におすすめの一冊です。
ハリー・ポッターと賢者の石 新装版
静山社 著者:J.K.ローリング
「ハリー・ポッターと魔法の石」は、世界的なヒット作で、主人公ハリー・ポッターと闇の魔法使いヴォルデモートとの因縁を描いたファンタジー小説です。
両親を亡くし、平凡な家庭で育ったハリーが、11歳の誕生日に「ホグワーツ魔法魔術学校」への入学許可証を受け取ります。
彼は魔法使いだけが乗れる特別な列車で学校に向かい、友情や冒険が詰まった学園生活を送ります。映画化もされており、ファンタジー初心者からも楽しめる一作です。
夏への扉 新版
早川書房 著者:ロバート・A・ハインライン
1956年にアメリカで刊行された古典SF小説。主人公は天才発明家・ダニエルと愛猫・ピート。ピートは「夏への扉」を探し、ダニエルも失ったものを取り戻そうとします。
ダニエルは冷凍睡眠で2000年に送り込まれ、未来の世界が描かれる。その近未来表現と愛くるしさが魅力で、中学生・高校生からSFファンや恋愛小説好きまで幅広い層におすすめです。日本では2021年に映画化もされています。
精霊の守り人
早川書房 著者:アイザック・アシモフ
「精霊の守り人」は、SF黄金時代の巨匠アイザック・アシモフの1950年のSF小説。ロボット工学三原則をテーマに、ロボット心理学者・キャルヴィンが事件に挑む連作短編集です。
SFと推理小説の要素を融合させた作品であり、ロボット工学に興味のある人や推理小説ファンにおすすめの名作です。また、この小説は映画『アイ,ロボット』の原典としても知られています。
三体
早川書房 著者:劉慈欣
「三体」は、劉慈欣によるSF小説で、全世界で2900万部以上のベストセラーとなっています。物語は中国の科学者、葉文潔が主人公で、父の死と人類への絶望から宇宙に電波を発信します。
それが異星人の惑星「三体」と接触し、驚くべき結果を生むストーリーです。この作品はアジア人として初めてヒューゴー賞の長編小説部門を受賞し、壮大なスケールで宇宙をテーマにしたSFファンにおすすめです。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
早川書房 著者:フィリップ・K・ディック
フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は、放射能灰で汚染された未来の世界を舞台に、人工の電気羊を持つ主人公リックが、逃亡した8人のアンドロイドを捕らえる物語です。
この小説は、人間とアンドロイドの境界を問いながら、「人間らしさ」について考えさせる作品で、SF初心者にもおすすめです。また、映画『ブレードランナー』の原作としても知られています。
ボッコちゃん
新潮社 著者:星新一
「ボッコちゃん」は星新一による王道SF小説の作品集で、作者が選んだ傑作50編が収められています。ショートショートで読みやすく、舞台化やテレビ化もされています。
物語の中心には、バーで人気の美人店員「ボッコちゃん」の秘密があります。他にも、「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」など、楽しくスリリングな作品が含まれています。
ユニークな着想やユーモア、シャープな風刺が魅力で、SF初心者や星新一作品を初めて読む方にもおすすめです。
星を継ぐもの
東京創元社 著者:ジェイムズ・P・ホーガン
SF作品「星を継ぐもの」は、月で発見された5万年前の死体をめぐるミステリアスな物語。調査員は現生人類とのつながりを探る中、木星の衛星でも宇宙船の残骸が見つかります。
謎めいた展開と壮大な規模の謎解きがあり、推理やミステリー好きにおすすめの作品。ジェイムズ・P・ホーガンのデビュー作で、星雲賞受賞作であり、日本ではマンガ化もされています。
新世界より
講談社 著者:貴志祐介
『新世界より』は著者・貴志祐介によるSFファンタジー小説で、日本SF大賞第1位を獲得し、マンガ化・アニメ化もされた作品です。
物語は1000年後の日本の神栖66町を舞台に展開し、人類が神の力である念動力を得て平和に暮らしています。しかし、子供たちが念動力の技を磨く中で、先史文明の秘密が明らかになります。
本作は上・中・下の3冊で構成されており、ダークファンタジー好きにおすすめの物語です。
はてしない物語
岩波書店 著者:ミヒャエル・エンデ
『はてしない物語』は、児童向けの名作大長編ファンタジー小説であり、映画化もされた作品です。物語は10歳の少年・バスチアンが、ファンタージエン国の滅亡と再生を経験する壮大な冒険を描いています。
彼はあかがね色の本を読んでいる最中、ファンタージエン国が謎の「虚無」に侵されて滅亡の危機に瀕していることを知ります。国を救うためには、人間界から子供を連れてくる必要があります。
物語の呼びかけに応えて、バスチアンは本の世界に入り、ファンタージエン国の未来を担うことになります。この経験を通じて、友情や愛などの大切な価値について考えさせられる作品であり、子供から大人まで楽しめるおすすめの小説です。
指輪物語1 旅の仲間 上
評論社 著者:J.R.R.トールキン
「指輪物語1 旅の仲間 上」はJ.R.R.トールキンによる不朽のハイファンタジー小説で、全世界に1億人のファンを持つ三部作の第1作です。映画版も全世界で1億5000万部を売り上げる大ヒットとなりました。
物語はホビット族のフロドと彼の仲間たちの冒険と友情を描いています。魔王・サウロンが作った指輪をフロドが手に入れ、仲間たちとともに火の山に指輪を棄てる旅に出発します。
壮大な世界観や細かい描写が魅力で、冒険ファンタジーが好きな人や歴史的な大ヒット作品に興味がある人におすすめの作品です。
同志少女よ、敵を撃て
早川書房 著者:逢坂冬馬
「同志少女よ、敵を撃て」は逢坂冬馬のデビュー作で、アガサ・クリスティー賞を受賞したSF小説です。物語の舞台は1942年の独ソ戦で、女性のみの狙撃小隊を描いています。
主人公の少女・セラフィマは家族をドイツ軍に奪われ、復讐を誓い、一流の狙撃兵になるために訓練を積みます。スターリングラードの前線で戦い、多くの死を目の当たりにし、真の敵と向き合う物語です。
アクションの臨場感や緊迫感、巧みな構成が特徴で、戦争を描いた衝撃的な話題作です。
かがみの孤城
ポプラ社 著者:辻村深月
辻村深月の小説『かがみの孤城』は、ファンタジーミステリーの最高傑作とされ、本屋大賞を含む9つの賞を受賞した話題作です。
主人公の少女・こころは学校で孤立し、部屋に閉じこもっていますが、ある日、部屋の鏡が光りだし、その向こうに不思議な城と似た境遇の7人がいることがわかります。なぜ彼らが集められたのかは後に明らかになり、驚きと感動を味わうことができます。
生きにくさを感じている人に向けた作品で、中学生から大人まで楽しめるおすすめの小説です。劇場アニメも制作され、累計170万部のベストセラーです。
精霊の守り人
新潮社 著者:上橋菜穂子
「精霊の守り人」は上橋菜穂子による文化人類学者である作家の長編ファンタジー小説で、守り人シリーズの第1作目です。
物語は新ヨゴ皇国の第2皇子・チャグムが精霊の卵を宿したことで命を狙われる状況から始まります。女用心棒・バルサに救われた彼と彼女が協力してさまざまな困難に立ち向かう姿が描かれています。
リアルな世界観と情景描写が特徴で、大規模な冒険ファンタジーが好きな読者におすすめです。
鹿の王 1
KADOKAWA 著者:上橋菜穂子
綿密な医療サスペンスにして、壮大な冒険ファンタジー小説。緻密な医療サスペンスと壮大な冒険ファンタジーが融合しています。本屋大賞や日本医療小説大賞を受賞し、映画化もされ、累計250万部を売り上げています。
物語は、帝国・東乎瑠から故郷を守るために戦う戦士団「独角」の頭・ヴァンを中心に展開します。彼は家族を病で失い、奴隷として岩塩鉱に囚われていました。ある夜、不気味な犬の群れが襲撃し、謎の病が発生します。生き延びたヴァンは幼子・ユナを見つけて育てます。父と子が未曾有の危機に立ち向かう壮大な物語です。
この小説はファンタジーとして魅力的でありながら、優れた描写力があり、物語に引き込まれることが特徴です。壮大でリアルな医療ファンタジーを楽しみたい読者におすすめです。
月の影 影の海 上 十二国記
新潮社 著者:小野不由美
異世界「十二国」で繰り広げられる、壮大なファンタジー小説です。小野不由美の代表作であり、シリーズ累計1280万部を突破している「十二国記シリーズ」の第1作品目。
主人公の女子高生・陽子が異界へ連れ去られ、ケイキとの冒険が始まります。裏切りや試練に立ち向かいながら成長する陽子の姿が描かれており、細かく作りこまれた世界観が特徴です。アニメ化やゲーム化された人気作であり、中学生から大人まで楽しめる小説です。
ナミヤ雑貨店の奇蹟
KADOKAWA 著者:東野圭吾
タイムトラベル・ファンタジー小説であり、伏線を回収していくミステリー小説でもある作品。中央公論文芸賞受賞作で、感動の泪を誘う作品として広く知られています。
物語は「ナミヤ雑貨店」という悩み相談を受ける店舗を舞台に展開します。廃業した店舗に逃げ込んだ3人の若者が、郵便口から過去の悩み相談の手紙を受け取ります。彼らはその手紙に返事を書くことになり、雑貨店の秘密や児童養護施設との関係が次第に明らかになります。
温かく心温まるファンタジー作品であり、世界中で1300万部以上を売り上げたベストセラーです。映画や舞台化もされています。
空色勾玉
徳間書店 著者:荻原規子
「空色勾玉」は、古代日本の神が存在した時代を舞台にしたファンタジー小説で、荻原規子のデビュー作です。物語は、光に憧れる少女・狭也と闇を夢見る少年・稚羽矢の出会いを中心に展開します。
狭也の冒険と恋愛要素が絡み合い、豊葦原の世界を変えていく様子が描かれています。学生から大人まで楽しめる作品であり、日本を舞台にしたファンタジーが好きな方や神話が好きな方におすすめの作品です。
小説 すずめの戸締まり
KADOKAWA 著者:新海誠
SFファンタジー小説『すずめの戸締まり』は、主人公の鈴芽が九州の港町で叔母と暮らす17歳の少女として描かれています。
彼女は美しい青年と出会い、彼が探している扉を見つけるために山中の廃墟へと向かいます。そこで白い扉に出会うものの、彼女は何かに引き寄せられるように彼女は扉に手を伸ばしますが……。
この小説は、鈴芽の心の成長や葛藤を文章で追体験し、映画版を観たことのある方にも楽しめる作品です。また、人気映画の原作を楽しみたい方にもおすすめです。
歴史・時代小説のおすすめ作品
燃えよ剣 上
新潮社 著者:司馬遼太郎
幕末の動乱期に活躍した新選組副隊長・土方歳三の生涯を描いた歴史小説。『竜馬がゆく』と並び幕末ものの頂点をなすといわれる、司馬遼太郎の代表作のひとつです。
主人公のバラガキのトシは、近藤勇や沖田総司とともに新選組を始動させ、最強の軍事集団に育て上げます。池田屋事件などで名を馳せますが、薩長同盟の成立により倒幕の潮流が訪れます。
壮絶な戦闘シーンとともに、近藤・沖田とのほほ笑ましいやり取りやお雪との恋愛模様も見どころです。新選組が好きな方はもちろん、歴史小説初心者にもおすすめの作品で、累計500万部を超える国民的ベストセラーです。
竜馬がゆく 一
文藝春秋 著者:司馬遼太郎
「竜馬がゆく 一」は司馬遼太郎の歴史小説で、坂本竜馬の生涯を描いています。竜馬の幼少期から江戸での剣術修行、青年時代、そして人斬り以蔵や桂小五郎との出会いまでが描かれています。
彼は弱虫の末っ子でしたが、小栗流の道場に通い始めてから大きく成長します。この作品は竜馬の力強い生き様を描き、幕末ものに興味がある方におすすめの作品として、日本文学の金字塔と称されています。
NHKの大河ドラマやドラマ化もされ、マンガ化もされています。
村上海賊の娘 一
新潮社 著者:和田竜
和田竜の「村上海賊の娘 一」は、戦国時代の「木津川合戦」を題材にした壮大な歴史小説です。本屋大賞1位と吉川英治文学新人賞を受賞した作品で、執筆に4年をかけた最高傑作です。
物語は和睦が崩れ、信長に攻められる本願寺という乱世の中で、「村上海賊」が活躍する様子を描いています。村上武吉の娘である景が彼の剛勇と荒々しさを受け継ぎ、海賊として働く日々を送っていました。しかし、彼女は地元では嫁の貰い手がなく、醜女とされています。
物語は合戦前夜の難波へ向かう景を中心に展開されます。迫力に満ちた合戦の様子や、景が成長していく様子が描かれ、読者はドキドキワクワクしながら物語を進めることができます。この作品は痛快で爽快なエンターテインメント性が高く、おすすめの作品です。
坂の上の雲 1
文藝春秋 著者:司馬遼太郎
日露戦争で活躍した秋山好古・真之兄弟と、俳人・正岡子規を中心に、明治時代の明暗や近代国家誕生にかけた人々の姿を描いた歴史小説。
主人公たちは学問や天下を目指して東京へ向かい、貧乏士族としての生活を乗り越えます。この国民文学は文庫全8巻で2000万部以上の売り上げを記録し、ドラマ化もされています。司馬遼太郎が10年かけて構想した大作で、現代人にとって多くの登場人物の物語を楽しむことができる、特に高評価の大河小説です。
天地明察 上
KADOKAWA 著者:冲方丁
「天地明察 上」は、江戸時代に日本初の暦を作った渋川春海の生涯を描いた時代小説です。徳川家綱の治世で暦にずれが生じたため、春海が改暦の実行者として選ばれます。
彼の奮闘や挫折、喜び、恋などの成長を描いており、読書界で話題のベストセラーとなりました。算術や天文学を含む難しいテーマを扱いつつも、春海のひたむきな姿や人柄に感動します。
心理描写とエンターテインメント性が高く、読みやすくおもしろい作品です。
黒牢城
KADOKAWA 著者:米澤穂信
「黒牢城」は、米澤穂信による直木賞と山田風太郎賞を受賞したミステリ小説です。物語は、本能寺の変より4年前の有岡城が舞台で、荒木村重が城に立てこもり、織田信長軍に包囲された状況で多発する奇怪な事件に翻弄されます。
織田方の軍師・黒田官兵衛が捕まえられている地下牢に謎解きを依頼し、村重と官兵衛の心理戦・推理戦が展開されます。ミステリーと歴史小説の魅力を融合させた作品であり、四大ミステリランキングで史上初めて1位を獲得した名作です。
歴史小説初心者から心理戦・推理戦が好きな読者におすすめの小説です。
塞王の楯
集英社 著者:今村翔吾
「塞王の楯」は、戦国時代を舞台に、「絶対に破られない石垣」と「どんな城をも落とす鉄砲」を巡る熱い職人同士の対決を描いた直木賞受賞の戦国歴史小説です。
幼い匡介は越前の一乗谷城の落城で家族を失い、石垣職人の源斎に救われました。彼は「最強の楯」の石垣を作り、戦をなくすことを夢見て育てられます。
匡介は大津城の石垣改修を担当し、一方で毛利元康は国友衆に鉄砲を作らせ、飛田屋を叩き潰そうとするのです。
伏線と手に汗握る戦いが魅力で、戦国ものが好きな読者におすすめの作品です。
蒼穹の昴 1
講談社 著者:浅田次郎
浅田次郎の大ベストセラー小説『蒼穹の昴 1』は、19世紀末の中国の紫禁城を舞台にした壮大な歴史物語です。
主人公の春児は貧しい糞拾いの少年で、予言に導かれ天下の財宝を手にすると信じ、幼なじみの文秀と共に都へ上りました。都で別れ、それぞれの志を胸に歩み始めた、2人の宿命を描いています。
この中国史を扱った作品は初めての読者にもおすすめの一冊です。ドラマ化や宝塚歌劇団での舞台化もされています。
蜩ノ記
祥伝社 著者:葉室麟
「蜩ノ記」は、感動的な日本の歴史小説で、直木賞を受賞し累計75万部を売り上げたベストセラーです。物語は豊後羽根藩の元郡奉行・戸田秋谷が前藩主の側室と密通したために切腹を命じられる出来事から始まります。
豊後羽根藩の檀野庄三郎は秋谷の家譜編纂と監視を担当し、密通事件の真相を追求します。しかし、彼の清廉さに触れるうちに、檀野は秋谷の無実を信じるようになっていき……。
作品は秋谷の高潔な生き様や人間愛・家族愛が描かれ、重々しさと哀しさの中にも爽やかな要素があります。感動的な歴史小説を楽しみたい読者におすすめの作品です。
影法師
講談社 著者:百田尚樹
「影法師」は、百田尚樹による感動的な時代小説です。物語は不遇の死を遂げた友と彦四郎という頭脳明晰で剣の達人の2人の絆と友情を描いています。
勘一は彦四郎の死の真相を追い、20年前の事件と彦四郎が追っていた「卑怯傷」の理由についての真相を明らかにしていきます。切なさと美しさが詰まった、読者に涙を誘う彦四郎と勘一の友情を描いた傑作です。
文庫版には、単行本未収録の『もう一つの結末』も収録されています。
おそろし 三島屋変調百物語事始
KADOKAWA 著者:宮部みゆき
「おそろし 三島屋変調百物語事始」は宮部みゆきによる人気の時代小説シリーズで、江戸の袋物屋「三島屋」で暮らす17歳の少女・おちかが、不思議な話に触れることで心を開いていく物語です。
曼珠沙華の花を恐れる建具商の話や怪しい空き屋敷の話、おちか自身の告白も含まれています。恐ろしいだけでなく、美しい要素もあり、宮部みゆきの巧妙なストーリーテリングに引き込まれる作品です。
怪談や人情ものを好む読者におすすめの連作短編集。ドラマ化もされています。
八朔の雪 みをつくし料理帖
角川春樹事務所 著者:髙田郁
料理人の主人公・澪の奮闘と周囲の人々の人情を描いた連作時代小説です。彼女は「つる家」という店で上方料理を提供し、大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で日々努力します。
江戸で人気の袋物屋「三島屋」を営む叔父夫婦のもとで暮らす17歳のおちか。実家で起きたある事件をきっかけに心を閉ざしていましたが、三島屋を訪れる人々の不思議な話が、彼女の心を溶かし始めるのです……。
また、周りの人々の優しさも心温まるポイントで、食べ物をテーマにした小説が好きな方や人情ものが好きな方におすすめのベストセラー作品です。シリーズは全10巻で完結しています。
まとめ
数多くの小説の中から、人気の高いおすすめ作品を人気ジャンル別にセレクトしました。
これらの小説は評判がよく、読み応えのあるものばかりです。
自分に合った小説を見つけられるよう、参考にしてみてください。
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