仕事を辞めて失業保険をもらいたいんだけど、どうするの?
誰でももらえるの?
いくらもらえる?
必要な書類は?
条件とかあったりするの?
実際に私も7ヶ月もの間、失業保険をもらっていました。
そんな私が自分の経験に基づいて解説していきます!
失業保険とは?
失業保険・失業手当などと呼ばれていますが、どれも正式名所ではありません。
正式には雇用保険制度内にある「基本手当」です。
呼び方が色々あってややこしいですが、ここでは「失業保険」と呼ばさせていただきます!
ただし、みんなが受け取れる制度ではありません。
その条件が複雑になっているので、これからわかりやすく解説していきますね。
失業保険受給の条件
失業保険をもらえる条件としては2つあります
- 雇用保険を一定期間以上収めていること
- 失業状態であること
詳しく解説していきますね。
1.雇用保険を一定期間以上収めていること
まずは辞める前の会社に勤めている間、雇用保険を一定期間以上収めていることが必要になります。
加入したら、あなたの給料から毎月勝手に引かれているので、支払っている実感がないかもしれません!
失業保険をもらうには、この雇用保険を一定期間以上収めている必要があります。
はじめに自己都合退職から説明していきますね。
自己都合退職の場合
今働いている職場が気に食わない、別の仕事がしたいなどと、自分の勝手な理由で辞めた場合のときです。
自己都合退職のときの、失業保険をもらう条件としては、
会社を辞める前の2年間のうち、雇用保険の支払いが11日以上ある月が、12ヶ月以上あることが必要
になります。
11日以上とは、正社員であれば余裕でクリアできます。
そして、この12ヶ月というのは、合計して12ヶ月であれば良いのです。
2年間のうち最初の6ヶ月働き、4ヶ月空けてまた違う職場で3ヶ月、さらに3ヶ月空けて8ヶ月。
仕事を転々しても、2年間のうちに雇用保険の支払いが11日以上ある月が合計で12ヶ月以上であれば、失業保険をもらうことができます。
ですが、働かなかった期間が2年以上続いてしまうと、失業保険はもらうことができなくなってしまいまうので注意しましょう!
会社都合退職の場合
次に会社都合退職の場合です。
会社から解雇(クビ)された、会社が倒産したなどという、自分の意思関係なく仕事を辞めなくてはならなくなった場合です。
会社都合退職の場合になると、少し基準が変わってきます。
その基準とは?
会社の都合で辞める前の1年間のうち、雇用保険の支払いが11日以上ある月が6ヶ月以上あることが必要
になります。
図で表すと、
こちらも1年間のうちに、雇用保険の支払いが11日以上ある月が合計で6ヶ月になれば、失業保険はもらえます。
自己都合退職よりも、条件が半分になってゆるくなっていますね。
以上が失業保険をもらう、1つ目の条件になります。
2.失業状態であること
2つ目の条件として必要なのが「失業状態」であることです。
失業状態とは、就職できる力(能力)があって、積極的に仕事探しているけど、なかなか仕事が見つからない状態のことです。
ポイントは3つ。
- 自分に就職する意思があること
- 就職するだけの力(能力)があること
- 積極的に仕事を探していること
この3つです。
では逆に、失業保険をもらえない人をまとめてみました⇩
こういった方は失業状態には当てはまらないので、失業保険をもらうことができません。
失業を認定する日(失業認定日)に、こういった状態ではないか、ハローワークの職員からチェックされます。
失業状態ではないのに、失業保険をもらおうとすると不正受給になってしまいます。
ですので、もし今は失業状態ではないという方は、失業保険の受け取り期間を延長しましょう!
失業保険受給の延長方法は、ハローワークの総合窓口で「失業保険の受給期間の延長手続きしたい」と相談すれば、失業保険を先延ばしにすることができます。
失業保険を受け取る期間は1年間で、この期間内にもらわないと、失業保険がなくなってしまいます。
失業保険の受給期間
次に失業保険の受給期間について解説していきます。
実際に失業保険は何日間もらえるのかというと、それは所定給付日数によって決まっています。
会社を辞めたときの年齢や雇用保険の加入期間、辞めたときの理由によって、失業保険をもらえる日数が変わってきます。
ここから各条件ごとに、詳しく解説していきます。
自己都合退職の場合
自分の都合で会社を辞めた場合ですね。
この場合の日数は次のとおりです。
雇用保険加入期間 1年未満 | 1年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
---|---|---|---|---|
全年齢 | なし | 90日 | 120日 | 150日 |
雇用保険の加入期間によって、失業保険をもらえる日数が変わってきます。
20年以上雇用保険を収めていたら、最大で5ヶ月間になります。
要は失業保険をもらいに申請したら、その日から2ヶ月も待たないと、失業保険をもらうことができないってことですね!
さらに5年以内に3回の退職がある方は、給付制限期間は3ヶ月に伸びてしまいます。
会社都合退職の場合
次は会社都合退職の場合です。
会社から解雇(クビ)を言い渡されたり、会社が潰れてしまった場合ですね。
この場合の日数は次のとおりです。
雇用保険加入期間 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
---|---|---|---|---|---|
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ー |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
会社都合退職の場合、年齢によっても大きくもらえる日数が分かれています。
そして自己都合退職のときと同じように、雇用保険の加入期間が長いほど、もらえる日数は多くなります。
雇用保険加入期間が1年未満でも、90日はもらえます。
さらに会社都合退職の場合は、給付制限期間がありません!
ですので、退職してから7日間の待機期間が過ぎれば、すぐに失業保険をもらうことができます。
※待機期間については後ほど詳しく解説します。
自己都合退職と違って会社都合退職の場合では、失業保険はかなり優遇されています。
この違いはかなり大きいのです。
大きい違いがありますが、実は自己都合退職を会社都合退職に変える方法があるんです!
方法については下の記事をご覧ください⇩
>>自己都合退職を会社都合退職に変える方法
失業保険の金額と計算方法
次に失業保険の金額と、その計算方法です。
毎月どれくらいのお金が入ってくるのか、気になるところですね。
もらえる金額の基準となるのが、「賃金日額」というものです。
賃金日額は、仕事を辞める前の6ヶ月間の給料の総額を、180という数字で割った数です。
賃金日額=仕事を辞める前の6ヶ月間の給料総額÷180
この÷180とは、6ヶ月間(180日)ということです!
つまり、6ヶ月間の給料の1日分の平均を出す計算式です。
この計算には、ボーナスや退職金は含まれません。
そのかわり、家族手当や住宅手当、通勤手当など各種手当ては含まれます。
※60歳〜64歳の方は45%〜80%になります。
この50%〜80%という給付率の数字は、「賃金日額」の大きさによって異なります!
給付率の変化は次のとおりです。
賃金日額 | 給付率 |
---|---|
2,577円以上4,970円未満 | 80% |
4970円以上12,240円未満 | 80%〜50% |
12,240以上 | 50% |
賃金日額は低いほど、このパーセンテージは高くなり、逆に賃金日額が高いほどパーセンテージが下がってしまいます。
私の場合、給料が少なかったので8割もらえていました!
失業保険が気になる方は、ざっと計算してみましょう!
ちょっとした小技ですので、残業時間を調整できる方はぜひチャレンジしてみましょう。笑
退職から失業保険受給までの流れ
流れに沿って、1つずつ詳しく解説していきます!
1.前の会社から離職票をもらう
まずは退職したら、会社から「離職票」をもらいましょう。
2.ハローワークで求職申込を行って、離職票を提出すると受給資格が決定
会社からもらった「離職票」を持って、ハローワークで求職申し込み行います。
求職申し込みに、必要な書類は次のとおりです。
失業保険は銀行口座に振り込まれるので、その振込先の通帳です。
あとは運転免許証などの本人確認書類、写真、印鑑を持って、ハローワーク総合窓口で手続きを行います。
すると「求職申込書」を渡されるので、記入していきます!
求職申込書とは、「自分がどの職業や職種を希望しているのか」などを書く書類です。
▽求人申込書サンプル▽
求職申込書を記入し、総合窓口に提出して手続きが終わると、「ハローワークカード」と「しおり」がもらえ、受給資格決定となります。
▽ハローワークサンプル▽
引用:ハローワーク利用案内
3.待機期間(7日間)
受給資格が決定した日から7日間は、「待機期間」となります。
待機期間とは、「この期間失業状態ですよ」というのを証明する期間です。
ですので、この期間はアルバイトなどで収入を得ることは禁止されています。
会社都合退職でも、自己都合退職の場合でも失業保険がもらえない期間です
ただし就職活動をするのは大丈夫なので、求人に応募したりもできますよ!
4.雇用保険受給説明会
待機期間が終れば「雇用保険受給説明会」というのがあります。
日程は、待機期間終了後の10日前後です。
この雇用保険受給説明会を受けると、「雇用保険受給資格証」と「失業認定申告書」をもらうことができます。
この2つは、今後の失業認定や社会保険の手続きでも必要になるので、大事に持っておきましょう!
5.給付制限期間(自己都合退職の方限定)
雇用保険受給説明会が終わると、自己都合退職の方は給付制限期間に入ります。
通常は2ヶ月で済みますが、5年間で3回以上退職がある方は3ヶ月になります。
この期間、失業保険はもらうことができませんが、実はアルバイトなどで収入を得ることは可能なのです!
先程の7日間の待機期間はアルバイトをしてはダメですが、この給付制限期間は大丈夫です。
6.第1回失業認定日
失業認定日とは、「失業状態であるか」をハローワークでチェックを受ける日です。
この失業認定日には、必ずハローワークに行かないといけません。
何をチェックされるかというと、
- 就職してないか
- アルバイトをしてないか
この2点を確認するのが、失業認定日です。
失業認定日の流れは、次のような流れになります。
- 手順1【必要書類の提出】(失業認定申告書・雇用保険受給資格者証)
まずは必要書類の提出、手元のにある「失業認定申告書」を記入して、雇用保険受給資格者証と一緒に提出します。
- 手順2【面談・失業認定】
その後ハローワークの職員と面談して、失業認定を受けます。
- 手順3【次回認定日の案内】
そしたら、次回認定日の案内を受けて終わりです。
時間はトータル1時間程度です!
注意点〈自己都合退職の場合〉
会社都合退職の場合は給付制限期間がありませんので、すぐに失業認定日になりますが、自己都合退職の場合は、給付期間があるので注意点があります。
最初の失業認定日に失業認定を受けないと、待機期間が満了したことにはなりません。
最初の第1回目の認定は、忘れずに必ず受けるようにしましょう。
4週間後の第2回目の失業認定日には、給付制限の終了後になります!
7.失業保険(基本手当)の振り込み
失業認定日が終わると、ようやく失業保険が振り込まれます!お疲れさまでした!
失業保険が振り込まれるまでの日数は次のとおりです。
8.以降4週間ごとに失業認定を受けると失業認定(基本手当)が振り込まれる
それ以降は4週間ごとに、失業認定を受けにハローワークへ行く必要があります。
失業認定を受けると、そのたびに失業保険は振り込まれます。
あとは、この繰り返しです!
9.支給終了または就職
最後まで失業保険をもらいきるか、次の就職先が決まるとそこで失業保険の給付が終了となります。
以上が失業保険をもらう流れです。
失業保険の受給期間を伸ばす2つの方法
失業保険のもらい方がわかったところで、失業保険をもらう期間を、増やす嬉しい方法を紹介します。
その方法は2つです。
1.自己都合退職を会社都合退職に変える
なんと自己都合退職を、会社都合退職に変える方法があるんです。
え!?
自己都合退職って会社都合退職に変えられるの!?
条件などはありますが、意外と簡単に会社都合退職に変えられることができるんですよ!
方法については、長くなってしまいますので、下の記事にまとめてあります⇩
>>自己都合退職を会社都合退職に変える方法
2.職業訓練を受ける
もう1つの方法が、ハローワークで行っている「職業訓練」を受けることです。
実際に私は、失業保険をもらう期間が4ヶ月だったのですが、そこから職業訓練を3ヶ月間受けて、合計で7ヶ月間の失業保険をもらい続けました!
こちらの方法もここで説明してしまうと長くなってしまうので、下の記事を参照ください⇩
>>「職業訓練校ってなに?」職業訓練を受けて失業保険を増やそう!
職業訓練を受けることで、就職スキルを学ぶことができ、さらに失業保険をもらう期間まで増やすことができます。
すぐに就職先が決まらない人や、すぐに働きたくない人にもおすすめな方法です!
まとめ
今回は失業保険(雇用保険)のもらい方について解説してきました。
いかがでしたでたか?
私自身から見ても、漢字ばかりで本当にわかりづらい仕組みだなぁ(汗)と思いました。笑
なるべくわかりやすく解説しましたが、これが限界です。笑
今回この記事を通して最後に伝えたいのは、失業保険の手続きを少しでも早く済ませてほしいという気持ちです。
なぜなら会社退職後、「早く手続きをすれば、それだけ早く失業保険がもらえるから!」という単純な理由です。
そのために手続きの流れを知っておくことで、スムーズに失業保険をもらうことができるはずです。
国がやっているサービスって、理解するのがなかなか難しいですよね〜(汗)
ですが理解すれば、とても便利なサービスばかりなので、積極的に活用していきましょう!
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